日本長期急性期病床(LTAC)研究会 第7回研究大会 開催報告

【閉会挨拶】



「閉会挨拶 」

大 会 長:高橋 泰 (国際医療福祉大学大学院 赤坂心理・医療福祉マネジメント学部学部長 教授)

会  長:上西紀夫(日本長期急性期病床研究会 会長)

総合司会:森 孝志(医療法人清和会法人本部 副本部長)


    

 

    

〇森:それでは、ただ今より閉会式を行います。第7回研究大会、高橋泰大会長よりごあいさつ申し上げます。

 

■ 生活を本当に支える思いを ── 高橋大会長

 

〇高橋:今のシンポジウムの最後が、今日の全ての結論かなと思います。やはり、パッションを持って、腹をくくって決めるとか、日本社会、ヨーロッパもそうだと思いますが、そのための熱意、パッションではないでしょうか。 

 今年のお盆、中国に行ってきましたが、ものすごい熱気があって、彼らは社会のため、自分のために必死に生きている人が本当に多いと感じました。日本は、その熱意とかパッションがもっとないと、こうしたいというかたちで思う人が増えてこないと、失速しそうだなと感じました。

 私自身、ICTを中心に、医療・介護にどういうふうに入れて効率を上げるか、原点にそこの意識がないと、決してよくならないと今日、強く感じたので、それを忘れないようにして、日本がどっちに進むかを考えていきたいと思います。今日のシンポジストの先生、ぜひそういう思いをもう一度確認していただきたいと思います。

 LTACができたときは、地域包括ケア病棟がなくて、日本の病床をどういうふうにするか、急性期と慢性期の先生で一緒に考えようという想いでできました。最初にお話ししたように、会ができて、あれよという間に地域包括ケア病棟ができました。ただ、この地域包括ケア病棟に変えたほうが儲かるというかたちで、大きな病院がぽつぽつ地

 域包括ケア病棟をするという例が散見されます。一番大切なのは、生活を本当に支えることです。儲けではなく、実際の生活をどう支えるかという思いが一番欠けているのではないかと感じました。

 それを解消するためには、実際にいいものを見る、聞くことがすごく大切です。やればできると確信することがすごく大事だと思いました。こういう流れが続いていって、生活を支える医療が今後ますます発展していくときに、この会が今後も関与できればいいと思います。

 これで私の閉会の言葉にさせていただきます。朝10時から、長い時間、お付き合いいただきましてありがとうございました。ぜひ皆さんにも、日頃の活動に今日のような話を活用していただければと思います。ありがとうございました。

〇森:続きまして、会長の上西先生より、今後のご案内をお願いいたします。

 

■ 「まち」と連携していく ── 上西会長

 

〇上西:長い時間、どうもありがとうございました。今回は地域医療構想、地域包括ケアの徹底検証ということですけれども、今日1日、話を聞いていて、同じ「地域」という言葉でも、全く意味が違うのではないか。地域医療構想の「地域」は、単なる地図です。地図上の場所を言っている「地域」であって、地域包括ケアシステムでの「地域」は、まさに「まち」のことを言っているんだと思います。ですから、小山秀夫先生が、地域医療構想調整会議はどうしようもない、まさに何も決められないというのは、たぶんそうだと思います。

 実際、東京都でも急性期の患者は都心に集まってきます。慢性期、回復期は外に出ていきます。国は地域でちゃんと医療を完結しろと言いながら、そういうことを平気で言って、どうかしろと言います。ただ単に、地図上の話をしているわけです。たぶん、それでは全然進まないので、今日、後半のシンポジウムで話をしていた先生方が、地域とは、まちの中で病院と一緒になって育てていく。まちと病院が一緒になってということを示していただいたと思います。

 たぶん、そういう流れが、攻め込むわけではないけれども、どんどん広がっていくと、さっき言った、本当の意味での地域医療構想になっていく可能性があると思います。そういう意味で、今回、高橋先生は非常に素晴らしい企画をしていただいて、そういう結論になったと思います。この研究会は一度閉めますけれども、本当の意味での地域での連携を目指した病病連携推進機構(仮称)という、仮の案ですけれども、そういう研究会を立ち上げます。

 その中で、「病病」というのは、単に病院間だけではなくて、病院と地域としての「まち」、その中で、どう連携をしていくかが一番問われてきます。そういうことをやっているうちに、それも当然、介護とも関わってきますが、どういう格好で地域の連携を推進するかということを、ぜひ今後、検討していきたいと思います。皆さん方の積極的なご参加をお願いしたいと思います。

 LTAC研究会は、来年の2 月15日土曜日に、最終的な締めの総会をさせていただいて、そこで一度終わって、次の機構にいくということです。この件に関しましては、会員の先生方にアンケートを採らせていただいて、全部で123の会員の皆さんがいますが、78の会員の方々にご賛成いただきました。最終的には総会で決定させていただきますが、現在、このように6割以上の方々にご賛成いただいているということですので、次回から地域病病連携推進機構を発足させたいと思います。皆さま方のご協力をお願いしたいと思います。今日はお疲れさまです。ありがとうございました。

 

〇森:これをもちまして、第7回研究大会を閉会いたします。皆さま、本日はありがとうございました。

 

(了)

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