ごあいさつ

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役員からのご挨拶を掲載します。(役員名簿


会長

会長 上西紀夫(公立昭和病院院長)
上西紀夫

日本長期急性病床(LTAC)研究会の会長就任にあたって

 世界に類を見ない少子高齢化社会が進む中、医療体制の見直し、とくに急性期後の医療の在り方が喫緊の課題ですが、この度、急性期病院の立場からの視点を重点にこのポストアキュートを担う病床の具体的、かつ適切なあり方を検討する目的で本研究会が設立され、不肖、私が会長を拝命することになりました。

 病院経営などについては、大学勤務中に3年間ほど病院執行部の一員として経験したに過ぎず、5年半前に当院院長として入職して少しずつ勉強している段階が実際のところですので、本研究会の会長として適切であるか否か、自分自身でもはなはだ心もとなく感じております。しかしながら現実に直面し今後の医療を考えると、本会設立の指導的役割を果たして来られた日本慢性期医療協会の武久洋三会長のご指摘は、我々急性期病院の立場から見ても極めて的確かつ時宜を得た内容であり、本研究会の果たす役割は大きなものがあると思います。

 幸いなことに、役員にご就任いただいた皆様方は幅広い分野での指導的立場の方々ばかりであり、また、急性期病院としてポストアキュートの病院との連携や在宅医療に積極的に取り組まれて来られた経験を豊富にお持ちでありますので、会員の皆様と一緒に、いわゆる亜急性病床である長期慢性期病床の在り方や果たすべき役割について勉強し、提言をして行きたいと思っております。そしてその基本的考えとして、第1回本研究会の会長講演でも述べさせていただきましたが、財政や医療経済からの視点、医療の質からの視点、患者からの視点、そして地域の視点の四つの点を常に念頭に置きながら、この問題について取り組んで行きたいと考えております。会員の皆様のご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。

副会長

副会長 有賀 徹(独立行政法人労働者健康安全機構 理事長)
有賀 徹

設立に寄せて

 この度、LTAC研究会の発足にあたり、副会長を拝命しました。卒業以来、病院救急部門で長く勤務してきました。かつての交通戦争と言われた時代から、今では搬送患者の多くが内因性疾患~高齢層となっていて、初期・二次・三次救急医療といった体系にせよ、急性期・亜急性期・慢性期などといった、いわゆる患者の流れにせよ、かつてのような単純な図式で表せない、正に”様変わり”の感を否めません。筆者は「(NPO法人)地域の包括的な医療に関する研究会」(ホームページを見てください)の活動にも年余にわたって携わってきました。そして、地域においては、いかなる要素が欠けても、円滑で包括的な地域医療(救急車搬送もリハビリテーションのどれも)が円滑に機能できないことを痛感しています。本研究会のテーマであるlong term acute careも超急性期に引き続く、重要な要素であることに間違いはありません。ここで「引き続く」と表現しましたが、地域における「要素」はお互いに支え合う関係です。例えば、クリニックは地域の病院に支えられています。入院医療が必要であれば直ぐに頼ることができ、安心して外来診療を行えます。このような病院と、規模の大きな地域中核的な病院との相互関係も同様です。お互いに支え、支えられれば、それぞれはそれぞれの機能を最大限に発揮できます。というわけで、本研究会学術集会などを通じてLTACという社会の要素が広く認識され、我が国の医療がさらに発展できることを切望します。本研究会から多大に学びたく思います。皆々様にはどうか宜しくご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げます。

副会長 池端幸彦(医療法人池慶会池端病院 理事長・院長)

設立に寄せて

 この度、日本長期急性期病床研究会の発足に伴い、図らずも副会長にご選任頂きましたこと、心より御礼申し上げます。当会はご案内の通り、2025年に向けてこれから日本が人類史上類を見ない超高齢社会に突入していく中、特定機能病院を含むDPC病院を中心とした高度急性期病院機能と介護施設・在宅(医療)との間を取り持つための重要な役割担うべき「長期急性期病床」の在り方を、ストラクチャ−、プロセス、アウトカムという3つの視点から検討・議論する研究会として発足致しました。そしてこれは、亜急性期、回復期等を含むこれからの日本の急性期以後の病床機能分化を論じると言う点に於いて、大変タイムリーで重要な役割を担う研究会となるのではないかと感じています。 更にまたこの研究会が、私が担うべき慢性期医療の立場からと言うよりむしろ、純急性期病院のお立場の先生方から強く熱望されている病床機能であるという点が非常に重要な点であると感じています。

 それだけにこの議論は単に病院病床の現状を投影した議論ではなく、2025年以降を見据えて希望に満ちたものでなくてはならず、是非とも多くの病院関係者のご参加を頂き、真摯な議論の中で日本の医療提供体制の在り方を論じ、某かの提言が出来ることを目指したいと考えております。私もご選任頂いたからには、上西会長のリーダシップのもと、微力ながら会の運営等に少しでもお役に立てるよう努力していきたいと決意を新たにしておりますので、どうぞ皆様方のご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。

副会長 定光大海(国立病院機構大阪医療センター救命救急センター)

設立に寄せて

 三次救急医療を担う立場からLTAC研究会に参加させていただいております。現在は国立病院機構大阪医療センターの救命救急センター診療部長という立場で働いています。1979年に大阪大学医学部附属病院特殊救急部に入局して以来、一貫して救急領域で過ごしてきました。三次救急医療は救命を主目的にした診療であり、病院前からの救護と救急搬送を担う救急隊員との連携が求められ、リハビリを含めた長期的な経過を診ていただくのはどうしても別の病院にお願いすることになります。その診療形態からみて、病病連携や多職種連携は診療に不可欠な領域であり、どうしても社会の動きに影響を受けてしまいます。救急車利用傷病者増加に伴う医療機関の不応需増加、救急を担う医師の過労や対応できる医療機関そのものの減少、転院を律速する患者背景や診療報酬の問題、さらに急速に進む少子高齢化など多くの課題が顕在化するなかで、医療病床機能の再編や診療報酬の改定なども目前に迫っています。消費税の変更はどう影響するのかわかりません。そうはいっても、救急医療体制は社会のセーフティーネットの役割をはたす重要なシステムで、救急医療機関と地域に密着した療養機能をもつ医療機関や施設との連携もまた不可欠です。本研究会では急性期医療、とりわけ三次救急を担う立場から長期急性期機能を担う医療機関のあり方やその意義についての議論に参加していきたいと考えています。今後とも宜しくお願い申し上げます。

幹事

幹事 片岡善彦(平成医療福祉グループ 顧問)

急性期病院からみたLTAC

 医療政策の方向として、[1]機能(機能分化と連携)[2]人材育成[3]医療安全(事故と検証、対応)[4]臨床研究等が示されている。

 今回の研究大会で指定された発表では、徳島県医療圏域における一つの急性期病院として、徳島赤十字病院の経営概要を事例として示し、LTACについて思考させて戴いた。

 急性期病院経営は、常に医療の質、すなわち水準を高く、維持継続すること、人が育つ環境を充実させること。経営指標としては新入院者を増やし、結果として、平均在院日数を短縮すること、コスト対応は付随的な要件である。

 LTAC(Long Term Acute Care)についての考え;機能分化と連携に大きく関わるところであり、急性期病院の中にも、LTAC部門を置き、運用することが考えられるが、急性期;慢性期の区分は、入院期間の長短でなく、診療内容である、Cure(治療)主体か、Care(看護)主体か、で区分するべきと考えられる。Care主体は、看護、リハビリテーション(PT、OT、ST)、介護・手当、栄養管理、診療等で診療報酬を考えるべきである。

 更に言及すれば、STAC(Short Term Acute Care)も、S and LTACとして、慢性期の回復部門に包括すべきと考える。

幹事 川渕孝一(東京医科歯科大学大学院 教授)
川渕孝一

設立に寄せて

 国民医療費は、高齢化の進展と医療技術の向上により、毎年約1兆円ずつ増え続け、経済の低迷も加わり、2009年にはGDPの9.5%に急騰した。

  政府も医療費を抑制しようとしているが、なかなかうまくいっていない。現場・市民目線の改革になっていないからだ。

  医療費の増加を抑制する努力が数十年にわたって重ねられてきたが、従来の手法では限界があることは明らか。患者・社会にとっての価値という視点で医療の投資対効果を基軸に考えるアプローチが必要である。

  小生が主宰する「病院可視化ネットワーク」でもこうしたアプローチで相対的に低いコストで質の高い医療を提供している医療機関、地域、国について調査・研究を行ってきた。これらの医療機関、地域、国は「ディジーズ・レジストリー」により医療関係者にとっての目標が明確になった場合に、どのような成果が達成できるかを示す生きた手本である。

  ディジーズ・レジストリーとは、患者情報、治療成績、診断治療プロトコルなどを含むデータベースのことである。レジストリーに関する議論のほとんどは、主としてアウトカム(治療成績)の検証に役立つデータベースという視点からのものだが、私達はより広い視野で捉えている。すなわち、アウトカムに関するデータの収集・解析システムとしてだけでなく、アウトカム向上への長期的取り組みを促進する重要な仕組みと考えているのである。

  レジストリーを使って同じ条件の患者の母集団内のアウトカムのばらつきを調べれば、医療機関、地域、国別に、さらには国際的なレベルでも、治療成績のベンチマーキングや比較評価を行える。また、治療成績の違いを生み出す原因を深く分析すれば、ベストプラクティスも発見できる。そうしたベストプラクティスの共有や導入を積極的に支援することが、アウトカムの向上と臨床におけるばらつきの低減につながる。

  本研究会もこうしたビッグデータに基づく、現場・市民目線の医療改革を希求することを切に望む。

幹事 小山信彌(東邦大学医学部 医療政策・渉外部門 特任教授)
小山信彌

設立に寄せて

 この度、LTAC研究会発足に当たり、はからずも幹事として就任いたしました。私は大学病院で育った人間であり、主に急性期医療をの立場から、この会に様々な意見を言わせていただきたいと考えております。

 急性期病院の役割は、今後ますます質の高い安全な医療提供が求められますが、さらに病床有効利用という観点からも、在院日数の減少が大きな課題としてとらえられております。そうなりますと、急性期を脱して安定期になっても、帰宅はできない患者さんが出てまいります。その受け皿としてPost Acute Careの病床が必要になってまいります。

 もう一つの問題として、慢性期医療を提供されている患者さんが、急変した時の受け皿として、急性期病院に入院してきます。そのことにより、本来の急性期病院としての役割に支障をきたすこととなっていることも事実であります。つまり、完治することを求める救急医療と、ある程度のレベルまでしか治療できない患者さんの、すみわけの場所としての機能がこのLTAC(Long Term Acute Care)にあると思っております。

 これから迎える超高齢社会の医療提供体制を真剣に論じる必要があります。この研究会の役割は、急性と慢性期の医療をシームレスに提供するための架け橋的な役割を担うものと思っており、そのために少しでもお役にたてればと考えております。

幹事 小山秀夫(兵庫県立大学大学院 経営研究科 名誉教授)

 

 

幹事 副島秀久(社会福祉法人恩賜財団 済生会支部熊本県済生会 支部長)
副島秀久

日本長期急性期病床(LTAC)研究会発足にあたり

 このたび日本長期急性期病床研究会が発足し、末席ながら役員を仰せつかりました。本研究会発足に当たり一言ご挨拶を申し上げます。

 LTACに関しましては以前より関心あるところであり、また岡田玲一郎氏の主催する米国ツアーを通して、その存在と必要性について漠然とではありますが理解しておりました。

   日本では一般病床という広範なだけに曖昧な定義の元で急性期が語られてきましたが、医療の技術進歩や社会のニーズ、社会資源の効率的利用などの観点からもそぐわなくなってきました。かつての「急性期病床」では高熱でウンウンうなっている急性期患者の隣で、脳卒中で長期のリハビリをしている慢性期患者がポータブル便器に座って用を足しているなどの病棟風景が日常的でした。高齢者が少なかった頃はまだ良かったのですが、高齢化が進み急性期と慢性期の患者が混在することは医療管理や資源配分の面できわめて非効率になってきました。

  さらに慢性的かつ重症ではあるが急性期医療の対象でない、レスピレーターを長期装着している患者や慢性心不全などの患者が急性期病床に長期入院することも多くなりました。こうした患者は回復期でもなく療養でもなく、また重症な故にある程度の医療レベルと人員配置が必要ということで日本では該当する病床がなくやむを得ず「急性期」に長期滞在となってきました。

 熊本地域での連携のあり方、医療インフラの状況を考えると米国とは異なる位置づけでLTACを考える必要があるかと思います。私なりにLTAC病床を定義づけると「post-acute とsub-acuteの機能をもち、QOLやADLの急速かつ大幅な改善が見込めない慢性重症患者のケアを行う病床」と言ったものかと思います。sub-acute患者を診るという意味ではこうした患者の急変時への対応も「急性期」としてのLTACに期待されるところです。

  熊本は医療連携先進地域と言われ、これまでそれぞれの病院が様々な努力で連携関係を築きあげてきましたが、高齢化の急速な進展と完治できない重症患者の出現により新たな機能を持つLTAC的病床が求められており、これに対応する試みが少しずつなされつつあります。

 LTAC研究会が様々な研究、試行を通して新たな病床モデルを提示できるのではと期待しております。

 なお第二回日本長期急性期病床(LTAC)研究会は2014年9月28日(日)熊本市で開催いたします。前日には病院見学と情報交換会を予定しておりますのでふるってご参加くださいますようお願いします。

幹事 高橋 泰(国際医療福祉大学大学院教授)
高橋泰

LTAC研究会に期待すること

 これから2025年までの十数年の間に、後期高齢者が700万人程度に増加する。この急増する高齢者に対応する医療を誰が、どのように提供するのかが、現在進行中の医療制度改革の議論の最大の争点である。

 永生病院の安藤先生が、急性期医療には、治す医療の「とことん型」と、癒す医療の「まあまあ型」があることを提唱されている。「まあまあ型」の医療では、高齢者の生活維持や在宅復帰のために必要に応じて治療やリハビリが行なわれるが、必ずしも病気の治癒を目指すわけではない。治癒が至上の目的であり、徹底的に治療を行おうとする「とことん型」医療とは、その有り様が大きく異なる。

 高齢の患者さんに「とことん型」医療を提供しようとすると、遠くの大きな急性期病院に運ばれ、その病院での治療終了後、更に遠くのリハビリ病院へ転院、家族のお見舞いも遠のき、患者さんと患者さんの居住地との関係がだんだん希薄になっていくことが決して少なくない。多くの高齢の患者さんが真に必要とする医療とは、医療内容は「まあまあ」であっても、地域との関係が保たれるような形で提供され、病気は完全に治らなくとも、地域で生活を続けられるように身体も環境も整えてくれるような医療であろう。

 今後、後期高齢者が増えるので、「まあまあ型」の医療の需要が増えていくことが予想される。LTAC研究会は、「まあまあ型」の医療とはどのような医療かを議論し、「まあまあ型」の医療を誰(どのような医療施設)が提供するかを考え、「まあまあ型」の医療に対する望ましい診療報酬体系を提案するための研究会であると筆者は考ええいる。  LTAC研究会から、高齢(特に要介護状態)の患者さんに対する医療に関する適切かつ具体的な提言がなされ、日本の医療提供体制が、人口減少・高齢者激増社会に適応する形に変わっていくことに対して先鞭をつけることを期待したい。

幹事 田中 滋(慶應義塾大学大学院 経営管理研究科 名誉教授)
田中 滋

LTAC研究会への期待

 日本にとっての21世紀第1四半紀は、団塊の世代の75歳超えと共に2025年に本格化する世界初の超高齢社会に備える大切な期間である。ゆえに地域包括ケアシステムづくりは、大規模災害への備え・原子力発電所問題処理・外交政策・経済政策と並ぶ、最重要の国策の一つと言ってよい。地域包括ケアシステムの目的は、高齢者・障碍者などの尊厳ある自立を支援し、在宅限界を高めることである。

 ただしこの目的は、在宅医療サービスと在宅介護サービス・各種通所サービス・居住系サービス等の整備だけでは達成できない。地域の高齢者ケアを支える医療施設、取り分けLTAC機関と老人保健施設の果たす役割への期待は大きい。いわば「大規模多機能」型組織による地域支援拠点だからである。

 地域の旗艦となる拠点と在宅サービスが組み合わされて初めて、ケア付きコミュニティ(英語ではAging in Community)に近づいていくことができる。研究会を通じての事例研究や定量的研究の発展を望みたい。

幹事 仲井培雄(芳珠記念病院 理事長)

LTAC研究会役員の挨拶

LTAC研究会の役員を拝命しました、
地域包括ケア病棟協会 会長、医療法人社団和楽仁芳珠記念病院 理事長の仲井です。

LTAC研究会は、高度急性期あるいは急性期病院から見てポストアキュート機能を持つ病院とは、どのようであるべきか、あるいはポストアキュート機能を持つ病院と連携するには、どうあるべきかということを研究し実践する場だと思っています。

一方、地域包括ケア病棟は、地域包括ケア病棟を持つ病院が、それをどのように活かして地域包括ケアシステムと地域医療構想に貢献すべきか、ということを考えている協会です。
目指す方向は同じですが、視点が異なりますので、私自身大変勉強になっています。

今後とも、この両方の視点を活かして、本協会の発展のために微力ながら尽力したいと思っています。
ご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願い致します。

幹事 武藤正樹(国際医療福祉大学大学院 教授)
武藤正樹

LTAC研究会に寄せて

 団塊の世代700万人が後期高齢者になる2025年、医療と介護の在り方が大きく変わる。私が座長を務めている中医協調査専門組織の「入院医療等の調査評価分科会」でも、今回、7対1の在り方とともに大きな課題となったのが、亜急性期病床の在り方である。分科会の中でも様々な意見が出たが、最終的には以下のように取りまとめをさせていただいた。

  分科会では、超高齢化の進展のなか亜急性期病床の新たなコンセプトが必要であるとした。亜急性期病床の新たな機能は、[1]急性期病床からの患者の受入れ(ポストアキュート)、[2]在宅等にいる患者の緊急時の受入れ(サブアキュート)、[3]在宅への復帰支援の3つとして、それぞれを評価する要件の設定案を示した。そして今後は亜急性期機能を担う病床を増やしていくために、届け出の方法を現行の病室単位から病棟単位にした上で、病床の種別にかかわらずに届け出を認める案を示したところだ。そしてこれを中医協総会の審議にゆだねることとした。

  さて2025年といえば残り時間はわずか12年、干支が一巡する時間しか残されていない。私も昭和24年生まれの団塊世代。来年からは前期高齢者1年生である。自らの年齢と同時進行で2025年へのロードマップの進行を見守っていきたい。

幹事 森孝志(青磁野リハビリテーション病院 副院長)

LTAC研究会挨拶

日常診療ではポストアキュートケア中心の医療を行ないながらも、LTACという機能概念を初めて知ったのは2010年でした。その後2013年の第1回LTAC研究大会に参加して以降は、本研究会の役員の先生方に御指導を受けながら学ばせて頂き、2014年には済生会熊本病院で開催された第2回研究大会のシンポジウムで熊本の連携につきまして発表させて頂きました。そして、2015年の9月より本研究会の幹事の末席を汚すことになりました。

現在取り組みが進んでいる地域包括ケアシステムを、真に地域の需要に足るものに出来るかどうかは、患者さんや住民に対してそれぞれの地域の相応しい場所で相応しい医療や介護を提供出来るかどうかにかかってくると思われます。2012年に新設された地域包括ケア病棟は地域包括ケアシステムの要としての役割を果たすべき病棟であると考えますが、開設するにあたってはLTACの基本概念から大きく外れたものとなってはいけないように思いますし、何よりその地域に必要とされる機能を担う病棟であるべきだと考えます。

今後も、地方の中小医療機関で急性期病院との連携を中心に医療を行う者として、微力乍ら本研究会の活動に関わっていきたいと考えております。皆様方のご指導ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。

監事

監事 岡田玲一郎(社会医療研究所 所長)
岡田玲一郎

老いの一徹

 「病気は、急性期から始まり、どこへ行くの?!」病院職員研修のときに必ず尋ねることだ。いきなり慢性期になるわけではないし、終末期になるわけでもない。その終末期になったときの医療になにを望むのかという事前指定書の話を始めてから、もう30年にはなる。それでも、なかなか進まない。しかし、老いの一徹で話し続けている。キーワードは融通無碍だ、と。事前指定書を書いたってよいし、書いたものを破棄してもよい。もちろん、書きたくない患者に「事前指定書説明加算がつくから書きなさい」と迫るのは反則だ。そんなのないけど。その辺は、長尾和宏先生の意見と同じだと思う。癌の治療をするなという強迫をしてはならないし、必ず治療しろというのも強要だ。自分で決めればよいことだと、老いの一徹をする。

 冒頭に話を戻す。急性期は永遠に急性期ではない。急性期は、治るし、死ぬし、慢性期にもなる。圧倒的に多いのが慢性期になるケースではないかと勝手に思う。データなんて老人にとって面倒くさいだけだ。急性期に短期と長期とあるのではないかと、アメリカのLTACを日本に持ち込んでから6年になる。アメリカとは異なる形態だが、日本でも長期急性期医療が徐々に確立されてくると一徹している。

 事実、先の「日本長期急性期病床研究会第1回研究大会」でも、いろいろな現実が報告された。とうとうここまできたかというのが、実感だ。もちろん、安堵のとうとうである。そして、やがて医療制度や診療報酬に具現化するように思う。そうでなければ、急性期医療が成り立たないからだ。  老いの一徹は、これからも続ける。やるだけやって、あとは野となれ山となれという一徹だ。そのやるだけやるエネルギーがいつまで続くのかは分からない。戒名も、星一徹ならぬ岡田一徹居士と戒名をつけて、死ぬまでやるだけやったら満足な一生になるのだろう。南無阿弥陀仏、だね。

監事 武久洋三(日本慢性期医療協会 会長) 
武久洋三

日本版長期急性期病床のめざすもの

 世界各国の中で最も平均在院日数の長い日本では、一般病床の平均在院日数が18日程度であるが、アメリカでは日本の高度急性期病院にあたるSTAC(Short Term Acute Care)病床における平均在院日数は、わずか5日である。これはSTACにおける急性期治療後の患者を受け入れる明確な受け皿が確立されているからである。その一つが日本の長期急性期病床に当たるLTAC(Long Term Acute Care)である。LTACでは、複数の合併症を抱え、重篤で長期入院が必要な、医学的に複雑な患者に専門性の高い急性期ケアを提供する病院であり、まさに日本の重症患者の多い慢性期病院そのものである。

  東京では、高度急性期病院が特に多く、 実質急性期医療を継承する病床が極端に少ないために高度急性期病院に多くの長期慢性期患者が多く入院しているという調査結果が得られている。

  日本は高齢化が進行し、2025年にそのピークを迎える。2025年には、医療・介護を必要とする人は約750万人、年間死亡者数は約160万人となり、これらの国民ニーズに応えるには、急性期から慢性期へのスムーズな流れを早急に築くことが必要である。

  そこで、急性期治療後のPAC(Post Acute Care)機能の充実や、在宅療養中の慢性期患者の急性増悪に対応できる病床の整備に向け、高度急性期病院や慢性期病院の現場を指揮されている先生方、有識者の先生方16名が発起人となり、日本長期急性期病床(LTAC)研究会を発足させたのである。

  私の考える日本版長期急性期病床機能は、高度急性期病院からのPost Acuteや在宅等からのSub Acuteの患者を受け入れ、積極的な治療とリハビリにより、平均1~2ヶ月程度の入院期間で治療し、在宅復帰や生活復帰を行う病床機能である。

  病床機能再編について、新たな機能についての動きが活発化しているが、我々は国民のためにふさわしい医療が提供できる機能を持つ病床ができればよいと思っている。それは名称はどうであれ、長期急性期病床機能であり、皆様には今後の活動を期待していただきたい。

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