日本長期急性期病床(LTAC)研究会 第2回研究大会 開催報告

《シンポジスト①》
熊本における医療需要予測と病床機能分化・連携
松田晋哉(産業医科大学医学部公衆衛生学教授)

〇座長副島:
  シンポジウムのテーマは、「熊本における医療需要予測と病床機能分化・連携」について。最初に、松田晋哉先生からお願いしたい。

〇松田:
  産業医大の松田です。高橋先生のお話にもあったが、これからはデータに基づいて医療を計画、評価して改善することが求められる。厚労省を中心にデータが急速に整備されている。DPCやナショナルデータベースなどのデータがあるが、それに基づき医療計画の見直しが行われ、施設計画も従来より合理的に作ることができる。需要と供給の適合度を見る。質の評価指標も作り公開するので、医療計画はボリュームだけでなく質に関する計画もやっている。
  どんなことができるようになったのか。DPCデータとナショナルデータベースを用いることで各医療圏の医療提供体制の過去と現在を詳しく分析できるようになった。MDCは診療科に相当するもので、例えば01は神経、04は呼吸器、05循環器、06消化器、12女性生殖器、周産期、16外傷です。
  熊本の二次医療圏は11ある。DPCの23年度と24年度のデータを見ると、熊本医療圏では全ての色が出ているので全診療科に対応した医療ができている。年度間の変動を見ても安定している。急性期として安定した医療をやれている。
  各病院の特徴もわかる。済生会は婦人科をやっていないがそれ以外に関しては、ほとんど急性期をやっている。あるいは地域医療センターはかなり消化器に力を入れていることがわかる。
  同じように救急に関しても、どこの病院が何をやっているかわかる。熊本医療圏は北を医療センター、南を済生会、東を日赤という形で、3つが救急を担っており、年間で1万2000件くらいの救急を受け入れている。欠けている機能はなく、年度間での変動もないので安定した救急医療を行っている。
  自己完結率はどうか。今までは救急のDPCだけでは分からなかった。ナショナルデータベースが使えるようになったため、自己完結率が分かるようになった。熊本医療圏に住んでいる人は、9割が熊本医療圏の施設に二次救急でかかっているので自己完結しているのが分かる。天草医療圏の場合は天草に大体6割、4割は宇城に行く。こういう形でそれぞれの病院でどれくらい救急が自己完結しているかを全医療圏で分析できる。
  また、各都道府県にデータブックとして渡している中に消防庁のデータが含まれている。全搬送データの中に、各地の時間、現場到着時間、収容時間を再計算し直して、各地から現場到着、現場到着から収容、各地から収容という形で見たのがこのデータ。
  救急の先生に聞くと、「30分平均であればいい」ということだが、熊本県全体としては30分を超えているので改善の余地がある。各地から現場到着は7.8分と悪くないが、現場到着から収容が25分と少し長く、ここに問題がある。
  地域別に見ると、非常に長いのが宇城、有明、菊池、天草。熊本医療圏も29.4分と長い。これをもう少し細かく分析できるようにしてあり、各都道府県にはこのデータを渡してあるが、例えば新生児、乳幼児はどうなのかなどを分析できるようにしている。
  管内か管外かで全然違う。阿蘇は2671件の搬送があり、管内は1500、管外は1100で4割ぐらいの患者は管外。管内の場合は31分ぐらいで運べているが、管外になると難しい。管内と管外をこのように分析できるようになっている。こうしたデータを作って配っているので、救急に関して詳しく分析できるようになっている。
  同様に、がんも分析できる。熊本医療圏は全がんが出ている。基本的にはこれが理想的。大学が全体のがんをやり、救急みたいなものは他の病院がやる。地域によっては大学病院が救急もがんもやり疲弊しているところがある。本来は大学病院と地域の基幹病院はこういう形で機能分化すべきである。こういうデータを見るとき、年によってあまり差がないので、この地域はがんに関して機能分化はできているし、それが安定していることがわかる。手術も同じような結果。
  こうして、DPCのデータを使うとそれぞれの地域の急性期医療の現状がかなり分かる。今年度からは一般病床についてもデータを出すことになっている。今、DPCだけで1770病院、50万床、年間約1000万件位のデータがあるが、これから70万床位のデータになる。
  ナショナルデータベースを使うと、自己完結率を細かく見ることができる。熊本医療圏は自己完結率が高く、県全体で見ても熊本医療圏にがんは頼っているのが分かる。これは救急と違い、がんは待てる急性期なので全県的に動いても問題はないのかもしれない。
  同様に、がんの種別でも分析ができる。このデータは化学療法の入院をどこでやっているかを示している。例えば熊本県の上益城の患者さんは8割が熊本医療圏に基幹病院から入院している。天草や球磨は大体20%近くが熊本に来ている。
  これは入院だからまだいいが、外来に関しても同様である。入院は化学療法が自己完結していなくても構わないが、外来の化学療法はこれだけの方が熊本医療圏に行かなければいけないのは、望ましいことなのか。
  阿蘇の方は6割が熊本医療圏まで化学療法の外来を受けに来ている。プラチナ製剤とかタキサン系を使うと副作用が強いが、そういう方が点滴を受けた後に時間をかけて電車や車に乗って帰る状況は好ましいものではない。
  がんの化学療法は当たり前の治療になっているので、二次医療圏で自己完結する体制を作っていくことが大事である。各医療圏に化学療法ができる医者がいる必要はない。阿蘇や上益城医療圏は1週間単位で見るとそれほどたくさんの化学療法外来があるわけではない。熊本医療圏の大きな病院の先生が週1回そういう地域に行って、まとめて化学療法を受けるだけでも、自己完結率が上がる。
  このようにデータを使い、どうすればその地域で自己完結すべき医療ができ上がっていくかを考えていけばいい。大きな医療圏を1つにして基幹病院を作ったとしても、患者の移動距離は変わらず全く改善しない。集まって住んでもらうこともあるが、機能をよく見てそこに医者が動いくことをパートタイムでやればできること。そういうことをマップデータに基づいて考えていく。
  DPCデータを使うとその県が医療に関して閉じているか開いているかがわかる。熊本県全体では他の県から患者を受け入れている地域。県全体で見るとMDC12とMDC14が流出になっているが、これは里帰り分娩の影響がある。
  熊本医療圏だけが流入があり、八代も若干流入があるが、他はほとんど流出で、熊本県は熊本医療圏が他地域からかなり患者を受け入れ、他地域は熊本医療圏に依存している。これをどう考えるか。二次医療圏を考えるというより、二次医療圏間の関係性をどういうふうに計画するか。これが医療計画の中で大切な役割になる。
  高橋先生の話の内容をGISを使って分析すると、それをやっている病院に何分かかって行けるのかをグラフ化できる。スライドの緑が15分でかかることができる人が住む地域、薄い緑は30分、黄色60分。赤が90分──となる。
  これはくも膜下出血、脳梗塞、心筋こうそく、こういう形で急性期の傷病別結果のように、アクセス圏を、医療計画自体も住む地域のアクセスしやすさを記述する、医療計画を作らなければならない。
  有明医療圏は福岡と熊本があるが、福岡の有明医療圏がかなり熊本の有明医療圏の患者を受け入れている。これは当たり前で、大牟田の病院がこのあたりの荒尾とかをどういうふうに支えるかを考えて医療計画を作っていかないと、実際的ではないだろう。
  アクセスビリティは、くも膜下出血というと大体、熊本県では60%の方は30分以内にくも膜下出血に対応できる地域に住んでいる。60分だと大体90%。大体60分で急性期にかかることができる人は熊本の場合、90%いる。
  この10%をどうするかという問題は、医療計画だけではなく、地域の計画といろいろ関係するだろう。こういうデータを今は医療者だけが持っているが、県民にも出していく必要がある。
  医療に対するアクセシビリティはどうなのか。地域の経験から、北九州は今から30年程前に大きな宅地造成をやったが、今はそこから人口が流出している。高齢化に伴い購買力が落ちるとスーパーが地域から撤退をするので、住宅を売り駅前のマンションに引っ越しをする人が増えている。買い物ができて医療機関にかかれるところへ動き出している。そういうデータを出すことが大事かもしれない。
  がんも同じように、アクセシビリティを評価することができる。大体、熊本は恵まれていて、8割の患者が15分以内にそのがんをやっている病院にかかることができる。
  全体をまとめた。くも膜下出血から主だったがんについて、大体どのくらいカバーできているか、何分くらいかかっていけるかが整理されているので見ていただきたい。結論からいうと、九州の中で熊本、福岡が恵まれた地域である。くも膜下出血でも住民は平均30分あればかかることができる。
 DPCとナショナルデータベースを使うと地域の医療の現在と過去が、かなり詳しく分析できる。ここからそれぞれの地域での持つ問題点を把握できる。
  将来の分析が課題。人口変化は確実な未来なので、このデータを使って将来予測もやらなければならない。日本には使えるデータが多く、今使えるデータとしては患者調査がある。3年ごとの患者調査では、都道府県単位で性、年齢、階級別、傷病別の受療率が出る。この受療率が現状のままと考えると、人口がどういうふうに推移するかを分析する。
  例えば熊本医療圏の人口推移は、2020年がピークで73万人弱。ここから2040年にかけて人が減り66万になる。人口ピラミッドはここが減ってくる。後期高齢者、特に女性、熊本はかなり核家族化が進んでいるので、女性の単身世帯あるいは高齢夫婦世帯が増える。
  女性問題をどう考えるか。これを前提にすると外来の患者は、総数でいえば熊本医療圏10%ぐらいは増えるが全般的にはそれほど増えない。中身でみると循環器系、筋骨格系、がん科が20~30%ぐらい患者数は増えるだろう。認知症などは過小推計になる。
  入院は問題。これから呼吸器、肺炎、骨折、脳血管障害が増える。これが4割を超える位増えるが、入院全体も今の受療率でいうと30%位増える。肺炎、骨折が増えることと脳血管障害が増えることは意味が違う。有病率は罹患率×有病期間なので、脳血管障害は有病期間が長いので、新規発生が増えるのではなくむしろ、急性期、回復期、慢性期と積み上がっていく。
  ところが骨折や肺炎は有病期間が短いので、新規発生が増えることを意味する。高齢者が増えるので当たり前だが、今の医療計画の中で、肺炎対策、骨折対策はほとんど考えていない。しかも医療と介護の両方にまたがる。
  うちの大学病院も去年から救急を始めてかなり厳しくなってきている。近くにできた施設からの誤嚥性肺炎の搬送症例が増えている。施設での転倒による骨折の、介護の骨折手術はかなり増えている。後期高齢者が増えることで、そういう患者が増えてくる。これをどうするかを考えなければならない。認知症のある肺炎患者は高い確率で治療中にせん妄を起こす。稼働率92%、平均在院日数10日位で回している病院で、せん妄の患者が1人出るとその病棟運営は厳しくなる。これをどうするかがまさにLTACの問題になる。
  療養病床や老健施設など高齢者施設で発生した肺炎をこれからどうするか。市中性肺炎より誤嚥性肺炎だと思うが、予防も含めてこれから考える必要がある。例えば今、介護で行う予防としての口腔ケアや肺炎の予防接種をどうするか、肺炎予防の身体ケアをどうするのか。医療と介護を一体に考えて、予防から治療までを一体的に考えないと立ちゆかなくなるだろう。
  現在の受療率を前提にして、どのくらいの病床が必要かを推計した。熊本医療圏は都市部なので急性期ではあと1000床位、今の受療率では必要になる。療養病床は大体1000床弱程度のベッドが必要。熊本医療圏は病床過剰地域なのでこれ以上増やすことはできない。たぶん在院日数を短くしなければいけない。急性期は10日~1週間なので、あと2日位短くすればいいだけなので可能だろう。
  療養病床はこれから1~2ヵ月短くしなければいけない。同じ推計を杉並区や福岡市でやると3~5ヵ月、療養病床の在院日数を短くしなければ今の病床数で患者さんを診ることはできない。
  療養病床は、医療が落ち着いたら退院してもらわないといけない。そういう所を退院する患者は、要介護度では4、5、軽くて3。何かあればすぐに医療が必要になる人たちを在宅に出さなければいけない。在宅もいろいろな種類があるが、医療ニーズが高い方の在宅をどういうふうにやるかという難しい問題がある。
  今の診療所の外来の延長線上の在宅医療ではないだろう。今、入院でやられている医療の延長線上としての在宅医療。そうするとナースステーションが必要で、地域自体を病棟化する感じで見なければいけない。24時間365日、患者をモニタリングしてくれるナースステーションが必要。これをどう作るのかが大きな課題となる。
  今、療養病床でやっている医療を地域で展開しようとすれば地域でみてくれる看護師が必要。今、療養病床で一番患者を診てくれているのは看護師。看護師が療養病床でやっている機能を地域全体に果たしてもらうためにはどうしたらいいかを考えなければならない。LTACにおいて、看護の機能をどう見ていくかが大きな問題となる。
  これからの高齢社会では、高度急性期医療の必要度は減る。熊本もそうだが、北九州で今、心筋こうそくでは死ねない。皆さん救命されてしまう。でも、その方たちはその後、慢性心不全になる。慢性心不全の患者の一番の死因はがんなので、がんの手術を受け化学療法、放射線治療と急性期の医療を繰り返し使うことになる。その医療はかなり短縮化されてくる。急性期病院は連携体制がないとやっていけない。一方で大きな問題は看護ケアにかける、ADLケアを必要とする患者が在宅を中心に増えてくる。これを支える仕組みをどう作るかである。
  さらに死亡数が増える。年間160万人、170万人死んでもおかしくはない。うちの大学の周りを見たら、知らない間に空き地にセレモニーホールがいっぱいできている。死亡が増えているので、真偽はわからないが東京で亡くなると1週間葬式が上げられない、葬式を上げても焼き場がいっぱいなので焼けない。そのくらい死亡数が増えている。
  これから在宅死を増やすのは難しいのではないか。僕らの世代は自宅でおじいちゃんやおばあちゃんを看取った経験があるが、日本は戦後70年かけて、家庭から死をなくしてしまった。これをもう一度家庭に戻すのはきついだろう。
  会場にはドクターも看護師もいっぱいいると思う。自分が受け持った患者の最初の死亡例を、皆さん覚えているだろう。人間関係ができた人が死んでいく過程を経験した。それはすごいストレスになったと思う。
  戦後70年かけて死を在宅から除いたので、これをもう1回家にもってくるのはしんどい。現在、約8割の方が病院で亡くなっていることを考えると、これからの日本ではターミナル期の一時期を在宅で過ごしてもらい、最後は病院で看取るパターンが出てくると思う。
  そういうことを可能にする住み方も考えなくてはいけない。ヨーロッパのような「寄りかかり住宅」みたいなものを作らなくてはならない。あるいは川崎の馬嶋病院がやったビバース日進町のように、1階から3階が病院で4階が市の在宅ケア、5階から10階が高齢者対応住宅、そんなものをどういうふうに作っていくかを考えなければならない。
  以前、済生会で医療ニーズの高い方の在宅をどうやれば可能か、ケーススタディをやった。要素は3つ。かかりつけ医がいること、後方病院があること、後方病院に24時間対応の訪問看護があること。これがないと安心して在宅は過ごせない。こうしたトリアージをやってくれる訪問看護部門をどういうふうに作るか。これがLTACや地域包括ケア病床の重要な機能になってくると考える。
  今の在宅支援診療所は無理がある。日本の場合、1人で開業して1人でやっているため、「24時間365日電話で連絡が取れればいい」といっても、そのストレスはきつい。外来を中心にやりながら在宅支援をやるのはなかなか難しい。在宅医療支援診療所を支える病院を地域に作らなければならない。
  もう一つ大事なのは医療と介護の連携。訪問看護、訪問介護、ホームヘルパーがあるが、これから在宅をやっていく上でもっと重要になるのは、今、病院で看護助手がやっている仕事をやる人を作らなければならない。がん患者の身体ケアをどうできるか、頭ではなく体でわかっているホームヘルパーを作らなければ、在宅医療はできない。
  今の介護でいうと、今のホームヘルパーの臨床教育はほとんどが机上となっている。脳血管障害などには対応できるがこれから増えるであろう、がんや難病には対応できていない。在宅医療を支援している病院が、こういう介護をやるための研修施設、OJTの場として機能することも考えなければならない。
  人をどういうふうに地域で作っていくかという視点が、これからの医療と介護に必要。医療と介護を高齢社会においてバラバラに考えること自体がナンセンスであろう。研修も含めてどういう仕組みを作るかをやらなければならない。それがあって始めてITの活用ができる。
  地域においては急性期の受け皿機能、在宅ケアを支援する機能を持った病院でなければ、地域包括ケアという仕組みは成り立たない。LTACや老健施設、地域包括ケア病床を持っている所に課せられた重要な課題だろう。
  看取りが可能である条件を地区医師会のデータでもう1回やったが、結局医療がないと看取りはできない。介護の方で医療需要が高まっていることを考えると、外付けでどうやって医療をつけるかを制度的に考えていかないと難しいだろう。
  もう一つ欠けていることは、ケアマネジメント。入院病棟の延長線としての在宅医療が必要になるということは、地域のナースステーションが必要になる。
  ケアマネジメントには看護診断がないといけない。看護診断で何をやるか。その人のリスクを評価して、それが顕在化しないように看護サービスを貼り付ける。ところが、今の介護系のケアマネジメントはこうなっていない。福祉的な発想で、欠けている機能をやっている。悪いことではないが、これからの後期高齢社会になると、リスクを評価してそれが顕在化しないようなマネジメントをしなければいけない。
  そのためには、看護職でケアマネジャーをやる人を増やす必要がある。介護系の課題として、看護職がケアマネジメントの試験を受けなくなってきている。時代に合わなくなってくるので、これをどうするか。訪問看護が不必要な患者はいないと思う。3ヵ月に1回の人もいれば、1日に3回行かなければいけない人もいる。それをどういうふうにやるかもこれから考えなければならない。
  病床機能報告制度が始まる。各病院が病床を報告し、それに相当する医療行為を何件やっているかがレセプトデータから分かる。今年は病棟単位ではできないので病院単位になるが、次の見直しでレセプトに医療行為がどこの病棟で行われたか記録されるようになる。
  そうすると、自動的にこれができるようになる。医療行為については見直しがくると思うが、多分、こんなものが整備できる。全国平均では、高度急性期は対象医療行為を1日100床あたり200件やっている。一般急性期は200件~300件。慢性期は100件。
  医療圏の平均で見ると、例えば高度急性期100件、200件と半分だが、普通に考えればこの医療圏は高度急性期、一般急性期が多すぎるということを意味する。北東北みたいに医者が足りないために医療行為ができないのであれば、医者を配置することも考えなければならない。
  このようにデータに基づいて、何が足りない、何が欠けているかを議論する形になる。今回は、各病院のデータも出ているので、自分の病院が全国平均、医療圏のデータで見て、ニーズにあった医療ができているかどうかを考えなければいけない。
  地域医療ビジョン策定支援ツールを研究班で作っている。傷病構造の変化、地域差を反映した精緻化されたものになる。来年の夏頃には使えるようになる。地域ごと、医療圏ごと、市町村ごとに必要病床数が出てくる。
  それに加えて病床機能報告が出てきて、これを比較しながらさらに医療に関するいろんなデータ、データブックという形で都道府県に配っているが、このデータを協議の場に持ってきて、関係者で話合うことが予定されている。
  こういうものを総合的に分析し、地域における病床機能配分に関する議論をする。これが有識者、関係者による協議の場となる。厚労省の方が明確に示しているように、国一本の基準では駄目。それぞれの地域の状況に応じて多様性を計画する。
  多様性を計画するためのマニュアルを今回、「ガイドライン」という形で国が用意するので、それに従って各都道府県、各二次医療圏でこういうものをきちんと考えてほしい。
  すごく良くできている所とできていない所で、かなり優劣が出てくるだろう。これをやっていただかないと立ちゆかなくなる。地域の力がこれから問われる時代になる。
  最終的には病床配分を変えていく。「厚労省は7対1を減らしたいからこういうふうにしている」という意見もあるが、そうじゃないだろうと思っている。
  どういう表現をするかはいろんな価値観の問題があるが、ポストアキュートを増やしていかないと地域が成り立たなくなるので、病床配分をどうするかを実際のデータを基に考えてもらうことが、今私たちの行うべきことだと思う。
  これからいろんなデータが出てくるし、使える環境も整ってくる。それに基づいて自治体も考えなければならないし、医師会も考えなければいけない。各医療機関も考えなければいけない。
  そういう形で、それぞれの所で適切な医療提供体制を作ることが地域医療構想になってくる。そういう意味で、各地域での情報活用力が問われる時代になっているため、そういうものだと思って考えてほしい。

〇副島:
  ありがとうございました。松田先生へのご質問は後ほどのディスカッションに譲りたい。

(了)

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